硬度試験コンセプト

硬度試験のコンセプト

硬度試験は、ほとんどの材料について、そして一定の金属について特に、過去250年以上にわたりさまざまな形で使われてきた、有用で意味のある、一般的に用いられている機械的な試験です。確かに、材料特性として、その価値と重要性は控えめであるはずはなく、硬度試験から得た情報は重要な実績情報を提供する張力や圧縮といった他の材料検証技術を補足し、しばしば同時に使われています。

材料試験と硬度試験はどのくらい重要で便利なのでしょうか?

提供された情報とその重要性を、構造物、航空宇宙、自動車、品質管理、故障解析その他いろいろな製造や産業の形から考えてみましょう。これらの材料特性を究明することは、原材料から調製された試料、そして完成品までのさまざまなコンポーネントタイプの耐久性、強さ、柔軟性、そして可能性への貴重な見識をもたらします。

硬度試験は材料試験の幅広く使われている形式です。比較的実行しやすく、概して最小限に、もしくは完全に非破壊的で、他種の材料検証機器と比べるとほとんどの機具類は安価です。加えて、重要な変更を行わなくても普通はコンポーネントで直接行うことが出来ます。電子機器とコンピューターの時代が進むにつれ試験技術やハードウェアもかなり改善された一方、初期の技術は簡単な引っかき試験でした。これらの試験は端から端まで硬度を増強した棒に基づいていました。試験された材料は棒に引っかき傷を作り、その傷のつき方が試料の硬度の決定要因でした。その後、硬度試験の型には、ダイヤモンドで材料の表面に傷をつけ、結果として生じる線の幅を計測することと、それに続いて重力下で鋼の球を用いて材料にへこみをつけることが含まれました。世界的な産業化がもたらした製造需要の増加と、2つの世界大戦の期間にさらなる差し迫った需要により、さらに正確な機械と技術が開発されました。重工業の需要、構造破損、そして発展しつつある世界的な基盤に十分な材料の完全性を策定する必要を受けて、正確で効果的な試験の形が必要とされました。最近では、ハードウェア、電子機器そしてソフトウェアの著しい進展が、便利で性質の重要な情報を素早く、確実に、そして非常に正確に提供できる、さらに洗練された硬度試験機器へとつながっていきました。

押し込み硬度試験とは正確には何なのでしょうか?

最も基本的に、一般的に使われている定義では、不変で柔軟な変形に対する材料の抵抗です。反発、電磁石、超音波といったその他の形の硬度試験があらゆる用途で使われ、他の技術を通して材料の硬度を計測している一方、押し込み硬度試験は信頼できる、直接的な、一般に理解される試験の種類を提供します。特別な形状と特性をもった圧子を一定の時間乗せて、浸食度の深さや、結果として生じたへこみや跡の寸法のいずれかを計測して測られます。試験される材料が柔らかければ、浸食度の深さやへこみの寸法は大きくなります。一般的な硬度試験の種類にはロックウェル(Rockwell・へこみの深さまたは元に戻らないへこみ)、ヌープ・ビッカース(Knoop/Vickers)とブリネル(Brinell)(へこみの面積)があります。ロックウェル試験は、早く結果が出るため最も一般的に使われている方式で、概して金属と合金に用いられます。ヌープ試験とビッカース試験は、薄い材料、コーティング、金属組織を貼り付けたコンポーネントにより適しています。ブリネル試験の用途は、一般的に鋳鉄、大型鋼の骨組やアルミニウムがあります。手持ちの道具で数秒以内に出来る硬度試験もあります。その硬度試験ではへこみができるか、非常に小さいためコンポーネントのパフォーマンスや見た目には影響しないかのいずれかです。試験はコンポーネントそのものにされるため、それぞれの製品または製品の抜き取り検査が顧客に送られる前に試されます。

これらの一般的な種類の硬度試験はどのように行われるのでしょうか?

ロックウェルの硬度試験は、前に適用した予備の(小さな)負荷から得られた深さを超えた、重い(大きな)総合負荷によって圧子が押した付加的な深さの寸法との反比例の関係に基づいています。最初に小さな負荷が加えられ、ゼロの基準位置ンが作られます。そして大きな負荷が一定の時間加えられて取り除かれ、小さな負荷はかけたままにしておきます。結果として得られたロックウェルの番号は、大きな負荷を加えた結果としてゼロの基準位置からの深さの違いを表示します。プラスチックであれば、全体の工程に数秒から15秒ほどを必要とします。ロックウェル試験の結果は迅速にそして直接得られ、二次的な面積計測の必要がありません。最も一般的な圧子の種類は120度に研磨されたダイヤモンドの円錐で、硬化した鋼やカーバイドを試験するためのものです。柔らかい材料は、概して直径16分の1インチから2分の1インチまでのタングステン炭化物の球を使って試験されます。圧子の試験荷重の組み合わせがロックウェルスケールを構成します。これらの組み合わせが30の異なる目盛りを作り、実際の硬度の数字のあとにHRという文字が続いて表され、それぞれのスケールとして表示されます。記録されたHRC63という硬度値は、ロックウェルCスケールの硬度63という意味です。高い値は硬化した鋼またはタングステン炭化物と行った固い材料を示しています。これらのHRC値は70HRCを超えます。ロックウェル試験荷重は閉ループロードセルまたは伝統的な自重システムのいずれかで加えられます。

ミクロもしくはマクロ硬度試験はまた、ヌープもしくはビッカース試験と一般に呼ばれるが、特別な形状の圧子を試験表面に押しつけて行われます。ロックウェル試験とは違い、ヌープやビッカース試験は一度の試験荷重のみが加えられます。結果として生じる跡や、回復しない面積は線付きの接眼ミクロメーターと組み合わせた高倍率の顕微鏡を用いて計測されます。また最近では、画像分析ソフトウェアで自動的に行われます。ヌープのダイヤモンドは細長い菱形をベースにしたダイヤモンド型のへこみを作り、対角線の長いところと短いところの割合は約7対1です。ヌープ試験は主に10グラムから1000グラムまでの試験荷重で行われ、またヌープ試験は主にミクロ硬度試験または微小押し込み試験として知られ、短い対角線部分で起こる材料の変形は最小限であるため、小さな試験面積や脆い材料に使うのが一番適しています。ビッカースのダイヤモンドは正方形ベースのピラミッド型で、へこみの深さは対角線の長さのおよそ7分の1です。ビッカース試験はミクロ(10グラムから1000グラム)とマクロ(1キロから100キロ)という2つの違った力の範囲で、すべての試験に必要なものをカバーしています。圧子は両方の範囲が同じであるため、ビッカースの硬度値は金属の硬度の総合範囲で連続しています(一般的にHV100からHV1000)。ビッカースの試験はマクロ押し込み試験として知られ、焼きを入れた、また鋼のコンポーネントを含むさまざまな材料に使われます。ビッカースの圧子はヌープ試験より表面の状態に対して敏感ではありません。両方の試験の種類において、計測された面積は硬度値を決定するために加えられた力を含む数式に使われます。表や自動の電子またはイメージング測定はヌープとビッカースの硬度値を出す、より一般的で便利な方法です。

他の共通の硬度試験タイプであるブリネル試験では、直径5または10mmのタングステンカーバイドボールを使って、一定時間(10~30秒)通常500~3000 Kgf の一定の荷重または力を加えます。負荷時間に金属の塑性流れが終了していることを確認する必要があります。特定用途では時々より低い力でより小さな直系のボールが使用されます。ヌープ試験やビッカース試験と同じように、ブリネル試験では1度だけ試験力を加えます。荷重除去後に、結果生じた丸いくぼみを倍率の低い顕微鏡か自動測定装置を使用して、ミリメートルで測定します。ブリネル試験は一般的に、低い力で行うアルミニウムや銅合金の試験、および高い力幅で行う鋼材や鋳鉄の試験に利用されます。硬度の高い硬化鋼や他の硬い材料には通常ブリネル試験は利用されませんが、圧子および加えられる大きな力により表面状態の許容値が上がるにつれて、特定の材料仕上げにはブリネル試験がかなり有用です。ブリネル試験機は多くの場合、エンジン鋳造や大径の配管のような大きな部品に合わせて製造されています。

硬度試験は、各材料の試験、部材の品質管理と合否判断において重要な役割を果たしています。硬度試験の結果に従い、部材の熱処理、構造上の健全性、品質を検証し、材料が目的とする用途に必要な特性を備えているかを判断します。硬度試験結果と材料の所望特性との間の相関関係を確立することで、工業用および調査開発用として、またわたしたちが毎日使う物品に用いられている材料が、工学的に正しく設計された、効率的で安全な世の中に貢献することを保証する上で、硬度試験はとても有用になります。