非破壊試験

非破壊試験

非破壊試験または非破壊評価は、部材の特性を、その部材を変化させたり壊したりせずに評価する、材料試験の手法です。非破壊試験は、完成材料や原材料について信頼できる情報を速く手に入れたい材料試験産業で重要です。この試験は、生産段階や、材料や製品の使用中に、または不具合時に、診断方法として実施されます。

非破壊試験は、試料の不具合を通じて重要な試料特性を決定する負荷試験や曲げ試験等の破壊試験とは対照的です。破壊試験は本質的により明らかになる一方、材料を失うため高価であり、その名のとおり使用中の材料には向いていません。

非破壊試験の用途は自動車、航空宇宙、建設、さまざまな製造業など、あらゆる材料と産業に及んでいます。非破壊試験の用途として昔からあるものに、溶接材の製造時およびその使用中での定期的な試験があります。他の代表的な用途として、航空機の表面のヒビの検知や、管材や棒材の表面のキズ、製品の熱処理の評価があります。

非破壊試験は、研究開発の分野でも、材料について重要な情報となる、信頼性のあるデータを素早く提供する重要な手段です。非破壊試験の代表的な種類と手法として、超音波法、渦電流法、跳ね返り法、超音波接触インピーダンス法があります。ダイヤモンドまたは球体によるくぼみを用いる硬度試験も、議論はありますが、ひとつの非破壊試験とみなされます。ほとんどの場合、材料はあまり影響を受けないからです。硬度試験で用いられる、くぼみの深さ、あるいは、くぼみの面積に関係する力が、硬度の測定に使われます。通常、その材料の特性や性能には影響しません。マイクロ硬度試験は非破壊硬度試験の代表的なものです。他の一般的な非破壊試験を下に解説します。

一般的な非破壊試験

超音波試験

超音波試験は高周波の音響エネルギーを使うもので、さまざまな材料の評価に用いられ、有用な情報をもたらします。最も一般的な用途は、キズの検知、寸法測定、表面の厚さの測定です。代表的な試験システムにはパルス発信/受信器、変換器、表示パネルが含まれます。パルス発信器は変換器に高電圧電気パルスを送り、変換器は順に超音波エネルギーを発生させます。エネルギーは音波の形で試料に当たり、通り抜けます。キズは音波の経路に不連続性が起こることから検知され、結果生じる電気信号が表示パネルに表示されます。超音波試験は非破壊試験の中でもより広く使われている手法の一つで、試料の準備が最低限ですむ点や、結果がすぐわかる点、精度が高い点、試料の一方からだけでよい点など、いくつかの長所があります。超音波試験は鋼材や、コンクリート、木材、複合材料に使われます。

渦電流試験

渦電流試験は、「電磁気」の原理を検査の基礎に用いる試験です。渦電流試験では、電流が材料にあてられます。その材料による電流の変化が、キズや表面のヒビなど貴重な情報をもたらします。渦電流試験は材料の硬度や、被覆の厚さの測定にも使われます。

跳ね返り試験

跳ね返り試験はリーブ(Leeb)の法則を用いる試験です。この方法では、衝撃を与える手段として、バネを用います。バネは、ガイドチューブを介した推力で、衝撃体を試料に当てます。衝撃体が試料に移動する時、衝撃体の中に組みこまれている磁石が、ガイドチューブのまわりにらせんを巻いているコイルに信号を生じさせます。衝撃のあと、表面から跳ね返る衝撃がコイルに二つ目の信号を生じさせます。試験機はそれぞれの信号の電圧の割合を使って硬度値を計算し、位相を分析して方向による変化を補正します。この機械は電子的なものであるため、リーブ試験機はほぼすべて、自動的にリーブ値をより一般的な硬度スケールに変換するよう設計されています。各材料に応じてさまざまな変換式を使うことにより、広範囲の金属部品を試験することができます。主な制限は、試料の仕上がりがきれいでなければならないこと、試料に最低5kgの重さがないといけない点です。リーブ試験機は持ち運ぶことができ、試験面への垂直性さえ確保できれば、さまざまな角度で使用できます。

超音波接触インピーダンス試験

超音波接触インピーダンス試験は、以前からあるビッカースマイクロ硬度試験で使われるのと同じようなダイヤモンド圧子を用います。従来のビッカース試験の場合、くぼみ面に光学的な評価が必要であるのに対し、超音波接触インピーダンス法は電子的に超音波周波数の変化を検知します。超音波接触インピーダンス試験機は共振ロッドの端に取りつけられたビッカース圧子にほぼ5kgの力を加えます。共振ロッドとビッカース圧子が試料に侵入するとき、ロッドの中で周波数の変化が生じます。周波数の変化量が測定され、試料へのビッカース圧子の侵入深さに関連づけられます。結果はビッカース硬度やロックウェル硬度など、他の硬度スケールに電子的に変換されます。超音波接触インピーダンス法の試験機は、試料の表面がなめらかで、かつ厚さが0.5インチ以上あれば、さまざまな変換法を使って、広範囲の材料を試験できます。

非破壊試験は、各材料を評価し保守するのに有効で、用途がひろがりつつある手法です。現在の環境は変化が早く移動が多いため、製造、調査開発、検査部門が求める品質要求を満たすために、信頼性が高く効率の良い、有効な手法が必要とされています。非破壊試験のテクノロジーはこれらの分野で大きな役割を果たし続けるでしょう。